ライフスタイルも踏まえた間取りを検討しよう
ライフスタイルを踏まえた間取りはどのように考えていけばいいのでしょうか。近年では、家族の価値観や生活環境の変化にともなって、間取りの考え方も徐々に変化しています。
間取りは「ぶどう型」から「りんご型」に変化
注文住宅の間取りを考える際、果物に見立てた2種類のタイプで表現されることがあります。ひとつは従来の住宅でよく見られた「ぶどう型」の間取り。建築用語では「中廊下型」と呼ばれ、寝室や子ども部屋など、独立した個室を廊下でつなぐ間取りのことを指します。小さな部屋が実、枝分かれした廊下が枝というイメージから、「ぶどう型」と呼ばれています。
一方で、廊下を極力つくらず、リビングを家の中心に配置した間取りである「りんご型」。以前に比べて、家族との時間を重視するようになり、ライフスタイルに変化が起きたことによって、主流が「りんご型」に変わってきました。リビングやキッチン・ダイニングがひとつながりになっているので、料理をしながら家族と会話できるなど、コミュニケーションがとりやすいのがこの間取りの魅力です。
りんご型の間取りをおすすめする理由
このように、現代のライフスタイルを反映したりんご型の間取り。岩見建設でも、ライフスタイルに合わせやすいりんご型の間取りをおすすめしています。ここからは、りんご型の間取りをおすすめしている理由について、さらに深堀して確認していきましょう。
ライフスタイルに合わせて空間が使える
ぶどう型の間取りの場合、はじめから寝室や子ども部屋と目的を決めて部屋を設けます。そのため、子どもが独立しライフスタイルが変化したときには、部屋が不要になり、物置のようになってしまうこともあるでしょう。
一方、りんご型の間取りでは家全体をワンルームのようなつくりとし、必要最低限の間仕切りを用いて空間を区切ります。また不要になれば仕切りをなくして再び広々使うことも視野に入れたつくりかたをすることが多いです。このように、ライフスタイルの変化に対応しやすいのがりんご型の間取りなのです。
同じ床面積でも空間を広く使える
りんご型の間取りは移動のためだけの廊下をつくらないため、同じ床面積でも空間を広く使うことができます。居室を広々と使えるうえに、吹き抜けをつくってさらに開放感を演出する間取りも多いため、同じ坪数のぶどう型よりも広く感じられるデザインが可能です。家族団らんの時間がゆったりと過ごせるような、居心地の良いリビングがつくりやすいでしょう。
家全体で室温のムラが生まれにくい
ぶどう型の間取りは部屋を個別に仕切っているため、必要な部屋だけ冷暖房をかければ室温調整がしやすいというメリットがありました。しかし、冷暖房をつけていない部屋は極端に暑くなったり寒くなったりしやすいデメリットがあり、冬場のヒートショックなどのリスクを考えなくてはなりません。一方で、りんご型の間取りは、充分な住宅性能が確保できれば、家全体を効率よく冷暖房できるというメリットがあるのです。
りんご型の間取りは住宅性能が欠かせない!
「部屋ごとに室温調整しやすい」というぶどう型のメリットは、裏を返せばりんご型のデメリットだと言えます。りんご型はぶどう型に比べて空間が広くなるため、部分的な室温調整がしにくくなります。大前提として、りんご型の間取りを採用するときには、住宅の高断熱・高気密が必要不可欠。
断熱性・気密性が低いと、大きな空間の室温を調整するためにかえって冷暖房のコストがかさんでしまう恐れもあるのです。
>>参考コラム:浜田市で注文住宅を建てるときの断熱性能は?省エネ住宅に求められる基準について解説!
住宅の高断熱高気密を判断するポイント
それでは、住宅の断熱性能はどのように考えていけばいいのでしょうか。そこで、確認するべきポイントが「断熱等級」です。断熱等級は、住宅の性能を分かりやすく表示して良質な住宅がだれでも取得できるようにと定められた「住宅性能表示制度」の性能等級の一つです。熱が住宅にどれだけ出入りしやすいかを表す「UA値(ユー・エー値)」が小さくなるほど、断熱等級が上がります。
浜田市・益田市周辺の基準UA値
日本は地域によって気温差があるため、地域区分を規定しUA値の基準を設定しています。地域区分は、北海道など寒冷地の1地域から、温暖な沖縄などの8地域までに分けられ、浜田市や旧益田市は、東京23区などと同じ「6地域」です。益田市の中でも旧美都町や旧匹見町は、仙台市などと同じ「5地域」となります。基準となるUA値はどちらも同じで以下の通りです。住宅の断熱性能を検討するときの判断材料にしてみましょう。
6地域における等級別基準のUA値は以下の通りです。(単位:W/㎡・K)