L_Hut
外皮外内部の可能性の追求をテーマに、20坪の屋内空間の他に、10坪の屋根有屋外空間の空間がある。
この外皮外内部というのは、屋根と壁があるため雨風はしのぐことができるが、断熱材が入っていないこと、また土足で行き来する空間としており、外部として機能している空間のことである。
つまり、性能は無いが雨風がしのげて、さらに土足で動き回ることができるといった、自由な遊び空間のような場所になりうる。それと同時に、性能を度外視できるため、サッシは自由に手作りのおしゃれなものができるし、断熱材が無いことがそのままコストダウンにつながる。
屋内の最低限の機能と、遊び心のある空間を同時に成立させることにより、将来的な豊かな暮らしを実現できるのである。
中庭を介して親世代とつながる。
L_Hutと名付けられたこの家は、その名の通りL時にクランクしており、中庭を介して、親世代の家と隣接している。子供が生まれた際には、親世代の家と行き来しながら、ある時は実家の一室が子供部屋に、またある時には家を交換して暮らしたりなど、空き家問題が多くなっている現代において、新たな地方での暮らし方を提案している。
ワンルームの内部空間
ワンルームの内部空間、半屋外の土間空間が断熱サッシで緩やかにつながり、
自然光がふんだんに入り込み、明るい内部空間を可能にしている。
遊び心のある土間空間
性能の外の空間であるがゆえに、窓も開放して外とゆるりとつながり、風が通り抜ける気持ちの良い日陰空間になる。寒い日には薪ストーブを焚いて暖をとり、暑い日には日よけの涼しい空間となる。畑作業をする親世代と団らんできる空間にもなり、友人が集まりわいわい騒げるフリースペースにもなる。性能的には、外部と屋内の間の緩衝帯になることで、屋内を外部環境から守る場所にもなり、プライベートな庭への視線を遮る役割も果たしている。外皮外内部といわれるこの空間のもつ可能性は、無限大である。
土間空間
土間空間越しに庭・実家と見渡せます。街からの景観も豊かにしてくれます。
勾配天井のあるLDK
勾配天井と照明、造作家具とキッチン、そして開口が調和しています。
廊下
リズミカルな構造梁と開口が造り出す廊下の様子。
夕暮れ
街の景色を作りだす住宅夜景。照明計画も非常に重要なピースの一つです。
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