大屋根の家
一枚の大きな屋根が必要な勾配で存在している。その大きな屋根が家の表情をつくり、空間をつくり、人の生活を守る。この家のシンプルで凛とした佇まいは、この屋根が造り出しているといっても過言ではない。家づくりはそこに住む人の生活から生み出されていく。その生活は効率を求め、常識を求め、予算を求める。多くの条件の中で家は形作られていくが、家の骨格だけは間違えることが許されない。遊び心、おおらかな時間の捉え方、人を大切にしたいという施主の想いから、この大屋根の骨格ができあがり、そのまま暮らしへ、家の表情へとつながっていった。この屋根のように、おおらかで豊かな暮らしが展開されていくことを望んでやまない。